ストーカー&DVの損害賠償(慰謝料)請求の仕方


弁護士に相談する被害女性ストーカーやDVなどで、経済的な損失をこうむったのなら、加害者へ損害賠償請求の訴えを起こすことができます。精神的被害に対する損害賠償(慰謝料)の請求も可能です。

ストーカー行為やDVは、民事上の不法行為です。民法709条にもとづいて訴訟を起こせるのです。

対象となるケースや、訴訟を起こす手順を解説します。

ストーカーやDVの被害者の訴訟対象になるケース

損害賠償の対象となるのは、次のようなものです。

1.引っ越し代

ストーカーやDV加害者らのつきまといや待ち伏せ、自宅訪問などが恐ろしくて、ほかの場所へ引っ越さざるをえなかった。あるいは、自宅近所で中傷ビラをまかれ、その土地に住んでいずらくなって引っ越した。

こうしたケースでは、引っ越し費用を請求できます。

2.防犯機器、護身グッズの購入代金

ストーカーやDVの加害者らから身を守るため、自宅入り口に防犯カメラを設置したり、防犯ブザーを購入したり、警備会社の駆けつけサービスを利用したりした場合、その費用を加害者に負担してもらうことができます。

3.ストレスによる体調不良の治療費

ストーカーやDVによるストレスが原因で引き起こされた病気の治療代金は、損害賠償として請求することが可能です。

当然ながら、DVの肉体的暴力によるケガの治療費なども請求できます。

4.壊されたり盗まれたりした物の代金

ストーカーやDVの加害者があなたの私物を破壊したり盗んだりしていた場合は、それらが有する財産的価値総統の損害賠償を受けとれます。

5.弁護士費用

弁護士に相談したのなら、その費用も請求可能です。ただし、全額認められるケースはまれ。たいたいは1割程度です。

6.慰謝料

あなたが受けた精神的苦痛に対する賠償金です。被害者本人にとっては本来、これが一番大きな被害なのでしょうが、残念ながらわが国では訴訟大国アメリカのようにはいきません。

過去の判例をみると、DVがからんだ離婚の場合の慰謝料は、一般に100~300万円。被害者感情を考えると、とても納得できる金額とはいえませんね。ストーカー被害の場合はさらに少なく、せいぜい数十万円といったところです。

損害賠償請求の手続き方法

あなたがまずやるべきは、ストーカーやDVを受けていたと証明できる証拠を用意すること。加害者から送られてきた嫌がらせのメールや、電話や会話の録音記録などです。

つきまといや待ち伏せに遭ったときの日時や状況を日記帳か手帳に記録しておく、というのも、訴訟を起こす際に役立ちます。

これらは警察へ相談する際の重要な証拠にもなります。訴訟を起こす予定のあるなしに関係なく、保管しておくようにしましょう。

訴訟そのものの手続きを自分でやるのは不可能ですから、弁護士に相談しましょう。

訴訟の流れ

訴訟の流れは、こんなふうです。

  1. 訴状を作成して、裁判所に提出
  2. 訴状の審査
  3. ①の約1週間後、訴状が相手に届く
  4. ①の第1回口頭弁論が開かれる
  5. 何度かの口頭弁論が開かれる
  6. 判決の言い渡し

口頭弁論というのは、原告(あなた原告側)が訴状を陳述し、それに対して被告(相手方)が反論などを記した答弁書を陳述するもの。証拠の提出などもおこないます。

この口頭弁論を何度か重ね、その間に証人ずいれば尋問したり、双方の弁護士による原告被告の尋問があったり、証拠書類の取り調べ(証拠たりうるかどうかの確認や調査)などかあり、最終的な判決が出る、というのが民事訴訟のおおまかな流れです。

なお、口頭弁論の最中に和解が成立することも少なくありません。

また、判決に不服がある場合、判決を受けとってから2週間以内なら控訴が可能です。

注意点

裁判所へ提出した訴状はその後、加害者のもとへ送られます。訴状には、原告つまりあなたの住所を記しますから、基本的には相手にあなたの住所が知られてしまいます。

もし相手の知らない土地などにすでに引っ越しをしていて、住所を知られたくない場合は注意が必要。なにか方法がないか、弁護士に相談してみましょう。







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