【ストーカーのパターン】深刻な被害の裏には精神障害の可能性


ストーカー

ストーカーにもいろいろな分類があるようです。が、専門的な言葉を使ったものも多く、ちょっとわかりにくい。われわれ一般人にとって、もっともわかりやすいのは次のようなものでしょう。

1.恋愛タイプ 恋愛感情を受けいれてもらえないことが、おもな動機。
2.妄想タイプ 被害妄想や、相手には自分が必要だという妄想を抱く。
3.復讐タイプ 相手に強い憎しみを抱き、ストーカー行為におよぶ。
4.憧憬タイプ 芸能人や有名人などに対し、ストーカー行為を働く。

このなかで一番多いのはやはり「恋愛型」。とりわけ元交際相手や元夫によるストーカー行為が多いようです。

深刻なストーカー行為の背景には精神障害がある

ある精神科医による、重篤なストーカーの分類方法もたいへん興味深いので、ここでご紹介しておきます。

1.執着タイプ 自己愛性パーソナリティ障害に起因。自分を特別視しており、自尊心が異様に強い。バカにされると逆上する。
2.一方タイプ 統合失調症や妄想症(パラノイア)に起因。被害妄想や、相手が自分を好きだという妄想を抱く。意思の疎通が困難。
3.求愛タイプ 発達障害傾向に起因している。コミュニケーション能力に問題があり、相手の感情や考えをくみとることができない。
4.破壊タイプ 反社会性パーソナリティ障害に起因している。感情のコントロールが不得手で、攻撃対象を常時探していたりする。

ひらたくいうと、過激なストーカー行為におよぶ加害者には、精神疾患の可能性がある可能性が高いというのです。

連続殺人や大量殺人といった凶悪犯罪に手を染める人物の脳を調べると、高確率で脳に異常がみつかったり、神経伝達物質が欠乏していたりする、という研究報告もありますし、さもありなんと思わせる話です。

この分類をおこなった精神科医によると、とくに障害や殺人に発展するようなストーカー加害者は、1から4のいずれかに該当していることが多いと指摘しているといいます。もうそうなら、話し合いで解決するのはなかなか困難かもしれません。専門家の手助けやカウンセリングが不可欠でしょう。

警察に精神障害かどうか判断することは不可能

これはあくまで著者の勝手な考えですが、誤解を恐れずに書きます。

もし加害者が精神疾患を抱えているなら、障害事件や殺人事件の発生後に、警察を責めるのはお門違いなのかもしれない、と思います。警察官は精神科医ではない。人間心理の専門家ではないからです。

だから、加害者が非常に危険な精神状態にあったとしても、その数日後に大事件を起こす可能性があったとしても、それを見抜くことはできないでしょう。

それに、現在のところ、かりに加害者に精神疾患の可能性があると疑っても、警察も病院も対処が難しいのが実情です。警察が、精神疾患を抱えている人を強制入院させる「措置入院」(医師が必要性を認める必要あり)という制度もありますが、当の本人が病気と認識していなかったり、治療や入院をこばむことが多く、それを押してまで措置入院をとるケースはほとんどないそうです。

ストーカーに対し措置入院が適用されたケースなども聞いたことがありません。

加害者のメンタルケアにも心配りできる制度を

今後、ストーカーによる悲劇を避けるには、わたしたち一人ひとりがストーカーへの認識をあらため、同時に新しい法や社会制度の整備を進めていくことが求められるのではないでしょうか。

現行の法制度は、警察権力によって加害者に強制的にストーカー行為をやめさせようとすることに終始していますが、けっして十分とはいえない。加害者のメンタルケアに心を配ることこそ本当の解決につながるのだと感じます。

じつは、少しずつではありますが、警察にもストーカー行為の根っこにこうした医学的問題がひそんでいる可能性がある、という認識が広がりつつあるようです。

2014年から、重篤なストーカー加害者に専門家のケアを受けてもらう、というとりくみが実験的にスタートしたそうです。こうしたとりくみが、悲惨なストーカーの増加に歯止めをかけることを期待したいものです。

photo credit: Stalker via photopin (license)






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