3分でわかるストーカー規制法


ストーカー規制法はストーカー行為を禁じ、被害者を支援する法律

2000年11月に施行された法律です。ストーカー行為を禁止し、処罰の対象としたほか、被害者支援についても定められています。

ストーカー規制法の対象となるのは、特定の相手に対する恋愛感情や、それが満たされなかったがゆえに生じた怨恨の感情を一方的に充足あるいは解消する目的でおこなう行為。具体的には次のような行為です。

  1. つきまとい、待ち伏せ、立ちふさがり、見張り、押しかけなどの行為
  2. 行動を監視していると思わせるような事柄を告げたり、それをにおわせる行為
  3. 面会、交際など、その義務のないことをおこなうよう要求する行為
  4. 粗野または乱暴な言動
  5. 無言電話や、拒否されたにもかかわらず、連続して電話やファクシミリ、電子メールを送信する行為
  6. 汚物、動物の死体など不快な物を送りつける行為
  7. 名誉を傷つける発言を直接的、間接的におこなったり、他人に悪口をいいふらしたりする行為
  8. 性的羞恥心を刺激する事柄を告げたり、性的羞恥心を侵害する文書や写真などを送付、配布する行為

こうした行為は、ストーカー規制法によって処罰の対象になります。

被害者が警察に相談し、それがストーカー規制法に抵触するとなれば、加害者への「警告」や、自分に対する「援助」を申し出ることができます。

「援助」は、ストーカー対策のアドバイスや防犯グッズの貸し出しなどを受けられるもので、「警告」は、加害者(警察では「行為者」という)に、警察が文字どおり警告を出します。加害者がこれを無視して、さらにストーカー行為をおこなうと、次は公安委員会が「禁止命令」を出します。

これに違反した加害者は、この時点で容疑者です。警察による捜査と検挙が待ちうけています。

ちなみに、ストーカー犯の罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(禁止命令違反だが、ストーカー行為にならない場合は50万円以下の罰金)。

警察主導での捜査や検挙を待っていられない、というのなら、被害者みずからが加害者を「告訴」することも可能です。この場合の罰則は、半年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

ストーカ規制法違反のかどで、実際に検挙された例には、次のようなものがあります。

ストーカー規制法で検挙された事例

ケース1:京都府の元小学校女講師

京都府の市立小学校元臨時講師(女)は、元交際相手の男性教諭(41)につきまとうなどのストーカー行為を繰り返していた。2人は以前、同じ小学校に勤務し、数か月間の交際を経て、男性が別れを告げた。その直後から、女が嫌がらせの電話やメールを始めたという。注文していない宅配ピザが男性宅に届いたり、勤務先周辺に約200枚の中傷ビラがまかれたりしたこともあったという。男性は警察に相談。警察による文書や口頭での警告を経て、逮捕にいたった。

ケース2:静岡県の建設作業員

静岡県の建設作業員(男)は、家庭内暴力に怯えて実家に戻った妻(30)に対し、1か月に1000回以上の嫌がらせ電話をおこない、ストーカー規制法違反などの疑いで逮捕された。調べによると、男は多いときは2時間で167回も電話をかけ、妻が電話に出ると誹謗中傷を繰り返したという。逮捕時、男にはドメスティックバイオレンス防止法に基づいて、妻への接近禁止命令が出ていた。

ケース3:大阪市の男性会社員

大阪市の会社員(男)は、かつて交際していた女性(当時21)につきまとい、女性が警察署に相談したことで、警察から警告を受けていた。ところが、女性の誕生日にバラの花束を送付。その後、「誕生日おめでとう」「昔に立ち戻ってほしい」などと書いた手紙などを5回も郵送。ストーカー規制法違反をいいわたされた。

ケース4:大阪府の元男性教師

大阪府の元教諭(男)は、元教え子の女性にストーカー行為を繰り返したとして、ストーカー規制法違反のかどで逮捕された。女性から相談があったため、警察は男に警告を出し、その後、公安委員会が禁止命令まで出していたが、男はストーカー行為をやめなかった。調べでは、男は警告を無視し、「ほかの男とつきあうな」といった内容のメールを送りつけたり、自宅に押しかけたりしたという。

ストーカー規制法の概要

最後に、ストーカー被害者から相談を受けた警察が、ストーカー規制法を使って、どのように対応してくれるのかをフローチャートにまとめておきます。

ストーカー規制法による警察の対応フローチャート







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